げ〜むれびゅ〜

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感想簡易版  ver1.02


最終試験くじら
サーカス



 
簡易版、ということで、戯言に書いた感想のみです。



 
12月28日  。

  「最終試験くじら」終了。双子妹とか、おまけが終わってないという状態ではありますが、終了。

 なんというか、割と楽しめたのですが、それぞれのシナリオ単体の出来は良いものとは言いづらく、力技で押しすぎてるところもあり、客観的に見たらそれほど良い出来とは言えないのでした。

 作中で説明すべき所をちゃんと説明していない、みたいな部分もありますし。

 とりあえず、以下微妙な作品考察。ネタバレ超注意なのでやってない人はすっ飛ばすこと推奨。というか、リプレイとかしてませんし、美佳シナリオは見てないので、多少いい加減ではありますが。






 ここではまず、キャラの役割とかから作品の簡単な説明やってみようかと思います。

 ・久遠寺睦

 幼少時代の体験から、精神的に傷を負っていて、心の病のようなものにかかっている主人公。

 まず、確認としては、現実世界での主人公は旅芸人の一座なんてものではなく、一般的な学生であり、他人との係わり合いを基本的に持っていません。胡桃や誠一郎と出会ってから、多少の回復が見られたのか、友人とつるむようになってきてはいるようです。

 くじらのいる世界の主人公が女形なのは、小さいころに憧れていたからですね。

 物語の舞台となる「くじらが空にいる世界」は、主人公の内面世界といえます。現実逃避のために夢の世界に逃げているとも取れますが、どちらかと言うと、幼少時代のトラウマを克服するための「最終試験」としての「くじらがいる世界」という事になるでしょう。友人達とのふれあいで回復の方向に向かっているとみた方がいい気がします。

 物語中、くじらがいなくなったり、自分の部屋でくじらがいない事に怯えている描写がありますが、あれが現実世界の描写ですね。怯えている描写を見る限り、主人公のトラウマはかなり深いものと見受けられます。


 ・茂木姉妹

 この姉妹はあまりくじらとは関係していません。攻略しなくてもさえシナリオ行けますし。まぁ、美佳シナリオ見てないんで、見当違いのこと言っている可能性もあります。

 まず、現実世界でですが、美佳先輩は存在しますが、さえシナリオで出てこないあたりから考えて、おそらく優佳先輩は存在しません。

 現実世界での美佳先輩の対応が、くじら世界のものと比べて幾分やわらかいことから考えて、「男勝りな先輩」と「いい所のお嬢様」に分かれてしまっているのでしょう。優佳先輩はほとんどおまけシナリオですし……。


 ・御影仁菜

 ここからくじらに関係するヒロイン達。

 さえシナリオから分かる事として、仁菜先輩は現実世界ではメガネを掛けている読書少女のようです。

 このシナリオでは、彼女の家庭の事情がメインになってきますが、これは現実世界の先輩がこういう状況にあるのではなく、「主人公自身の過去がこうだった」と考えることが出来ます。まったく同じという事はなくとも、ある程度似た状況だったのではないでしょうか(理由後述)。

 何故浮くのかとかは、よく分かりません。読み込んだら分かるのでしょうか……


 ・榛原胡桃

 彼女は現実世界とくじら世界と変わりなく、明るく皆に好かれる人物であるようです。その性格からか、現実世界の主人公とも仲良くしてくれている模様。

 胡桃のシナリオに入ったときに大きく彼女の性格が変わりますが、あそこで今までの胡桃ではなく「主人公の投影」としての胡桃に変わっています。周りとの関係を持たない、孤独な生活を送る自分ですね。

 この彼女が変わっていくことで、間接的に主人公の内面も変わっていっていると受け取ることが出来ます。

 シナリオの終盤、ラ○ュタな展開だったり、どこかでみた様な展開になりますが、アレ、おそらく胡桃が「オタク」だという所から来てます。或いは現実世界の主人公がオタクなのか。

 ちなみに、仁菜先輩、胡桃ともに、父親がいない(実の父ではない)事から考えて、現実世界の主人公も父親がいないのではないでしょうか。くじら世界の主人公も、親が再婚ですし。この辺単なる予想でしかありませんが。


 ・夢前春香

 前提条件として、現実世界で妹は存在しません。芝居の練習のためなど理由はつけられていますが、喋り方が安定していない所など、それが原因なのではないでしょうか。ただ、劇中劇の展開から見て、あれが本当にあったことと考えることも出来ます。くじら世界で妹として存在しているのは、姉が死んだときの年齢に合わせているからでしょうね。

 そして、彼女のシナリオの場合は現実世界に存在しないという事から、かなり後ろ向きな結末ともいえますが、主人公の過去を思い出すという点では、重要なのでしょう。


 ・南雲紗絵

 まずは混乱を避けるために、現実世界の彼女を「紗絵」、くじらの世界の彼女を「さえ」、くじらの少女をそのまま「くじらの少女」と区別します。

 まず紗絵ですが、彼女はさえシナリオ終盤の通り、病気を抱えていて、今は病院で療養中でしょう。現実世界の彼女は薬云々の展開からして、記憶障害ではないでしょうね。

 次に「さえ」ですが、彼女の言動が幼いのは、昔一緒にすごした紗絵のイメージで存在しているからでしょう。記憶障害である理由は、「昔の紗絵」という記憶から存在している以上、成長することなど許されるはずがなく、毎日記憶がリセット(主人公が記憶している「紗絵」という人格を維持するため)されるからでしょう。彼女は主人公の「この夢の中で過ごしたい」という願望の表れであり、これが本当の「最終試験」の役割をしていると考えられます。

 さえシナリオの最後で、すべてを思い出した主人公が、現実世界で生きることを受け入れた事で試験は終了です。

 くじらの少女は、あの世界の番人のようなものであり、主人公の深層意識、試験の管理者のようなものでもあるのでしょう。




 ・まとめ

 もう大体書いちゃってますが、主人公のトラウマの克服が物語の中心で、仁菜先輩、胡桃、春香シナリオで自分の事を肯定し、変わっていくことを決意した後に、一番のトラウマである紗絵の記憶を克服、という流れでしょうね。

 さえシナリオのエンドロールの絵から見て、これからの主人公は紗絵と一緒にちゃんと生きていくのでしょう。

 ちなみに、仁菜先輩の過去が主人公のそれと似たもので、胡桃が主人公の投影であり、トラウマ克服の通過点であると判断する理由は、「成長した」くじらのかけらをくじらの少女に返す描写があることや、それぞれのシナリオをクリアしないとさえシナリオにたどり着けないこと、偶然で済ませるには主人公との共通点が多いこと(両親の事など)、物語の流れから、それが自然だと考えたからです。

 まだ、しろたまとか、その辺のことを色々考える事が出来そうですが、面倒なのでこの辺で終了。「ここ明らかに違うだろー」という所とかあったら教えてくださいまし。



 しかし、美佳シナリオとおまけシナリオどうするかなぁ……



 ・以下微妙に追加。

 くじらの残ってたルートプレイ中。

 気になったので、さえシナリオの最後だけ見直してみたのですが、上で書いたのは大して間違ってはいなさそうです。美佳先輩は考えるまでもなく、もろ「一人娘」って書かれてましたね。

 あと、紗絵の精神もくじらの世界でシンクロしてたのかもなぁ、という考えも浮かびました。

 春香シナリオはアレはアレで完結してる可能性もあるかもしれません。「デフラグが起こらない、もう一つの可能性」という役割のような気もしました。

 ともあれ「最終試験くじら」、個人的には割と楽しめた作品なのでした。なんか評判悪いみたいですけどね。やっぱり素直に感動萌えゲーにしておけという事なのでしょうか。この内容、確かにフェイントですものねぇ。ある意味、各ヒロイン脳内彼女ですし。




 それにしても、プレイし終わってみると「書淫、或いは失われた夢の物語。」を思い出してしまいました。あっちの方がダークですけど。












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